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2010年12月31日金曜日

★2010年「このミステリーがすごい」第2位:『ダブル・ジョーカー』柳広司(著)

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2010年「このミステリーがすごい」第2位。

結城中佐率いる“D機関”の暗躍の陰で、もう一つの秘密諜報組織“風機関”が設立された。
だが、同じカードは二枚も要らない。
どちらかがスペアだ。
D機関の追い落としを謀る風機関に対して、結城中佐が放った驚愕の一手とは―。
表題作「ダブル・ジョーカー」ほか、“魔術師”のコードネームで伝説となったスパイ時代の結城を描く「柩」など、5編を収録。
吉川英治文学新人賞&日本推理作家協会賞W受賞の超話題作『ジョーカー・ゲーム』シリーズ第2弾、早くも登場。

柳広司の、『ジョーカー・ゲーム』の続編となる連作短編集。
’09年、「このミステリーがすごい!」国内編、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門共に第2位に輝いた。
前作は、角川書店の「野性時代」掲載分2編、書き下ろし3編からなる5編だったが、本書では、同誌掲載分4編、書き下ろし1編からなっている。

●『ダブル・ジョーカー』・・・・・・“D機関”のライバル“風機関”との親英的な元外交官の機密漏洩案件をめぐっての競い合い。
●『蝿の王』・・・・・・北支の前線を舞台に共産主義シンパの軍医が戦場で行う意外な機密連絡法とは。
●『仏印作戦・・・・・・』仏印と東京とで交わされる暗号通信にひそむ罠と闇。
●『柩』・・・・・・ベルリンの列車衝突事故で命を落とした日本人の男は欧州全土に張り巡らした“D機関”のスパイ・マスターだったのか。
●『ブラックバード』・・・・・・ロサンゼルスに渡った「二重経歴(ダブル・カバー)」の“D機関”スパイ仲根の行き着く先は。

本書では、巻末の書き下ろし『ブラックバード』を除いて、“D機関”卒業生のスパイが最後まで(生きて)登場しない、また、その開設者結城少佐の若き日の一端が明かされる『柩』をはじめ、いずれも前作にも増して凝ったプロットで、二重三重のひねりを一層加えた逸品揃いである。
また読者は、スパイたちの前作をしのぐ、世界を股にかけた究極の頭脳戦をたっぷり堪能できて鮮やかに騙されること請け合いである。

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2010年12月30日木曜日

★2010年「このミステリーがすごい」第1位:『新参者』東野圭吾(著)

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2010年「このミステリーがすごい」第1位。

立ちはだかるのは、人情という名の謎
日本橋の片隅で発見された四十代女性の絞殺死体。
「なぜ、あんなにいい人が」と周囲は声を重ねる。
着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、未知の土地を歩き回る。
「この町のことを思い浮かべるだけで、忽ち様々な人間が動きだした。そのうちの一人を描こうとすると、そばにいる人々の姿も描かざるをえなくなった。まる でドミノ倒しのように、次々とドラマが繋がっていった。同時に謎も。最後のドミノを倒した時の達成感は、作家として初めて味わうものだった」――東野圭吾

東野圭吾作品の中でも、「加賀恭一郎シリーズ」はかなり好きなので、迷わず購入しました。
この小説の舞台は日本橋。
その一角で起こった絞殺事件を調べるべく、着任したばかりの加賀刑事は日本橋界隈のさまざまな場所に出向いていきます。
ただし、「営業マンの上着」から始まり、加賀刑事の見事な洞察力はそれまでの作品同様に見ることができますが、事件そのものの真相は、それほどビックリするようなものではありません。
しかしそれよりも印象深いのが、日本橋界隈の人々や、加賀刑事自身が見せる「人情」です。

全九章ありますが、第一章~第八章までそれぞれ、加賀が訪れる日本橋の8か所が舞台となっています。
そして事件の調査のために訪れた加賀が、その手掛かりをつかむ様子だけでなく、彼の働きによってそこに隠されていた人々の「大切な人への想い」が前面に出てきたり、通い合っていなかった心と心が再び交流を始める様子などが描かれ、読んでいて非常に心温まりました。
どれも事件の解決に向けての「通過点」の一つに過ぎないのですが、結末が非常によく、それぞれの章がエピソードとして独立して成り立っています。
そして第九章のラストも、「心を通わせていたつもりが実はそうでなかった」という点では非常に考えさせられました。
最後に、加賀恭一郎シリーズはこれの前に、
『卒業 雪月花殺人ゲーム』★
『眠りの森』★
『どちらかが彼女を殺した』
『悪意』★
『私が彼を殺した』
『嘘をもうひとつだけ』
『赤い指』★
以上があります。
もちろんそれぞれ別の事件を扱っていますから、単独でも十分楽しめるのですが、他のシリーズ作品(特に★印)を読むと、加賀刑事の人物像がよくわかりますので別の楽しみ方ができます。

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