2010年12月31日金曜日

★2010年「このミステリーがすごい」第2位:『ダブル・ジョーカー』柳広司(著)

このミステリーがおもしろい。このミステリーが面白い。
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おすすめミステリー作家のオススメ面白いミステリー、おもしろい傑作お勧めミステリー小説は『ダブル・ジョーカー』柳広司(著)だ。

2010年「このミステリーがすごい」第2位。

結城中佐率いる“D機関”の暗躍の陰で、もう一つの秘密諜報組織“風機関”が設立された。
だが、同じカードは二枚も要らない。
どちらかがスペアだ。
D機関の追い落としを謀る風機関に対して、結城中佐が放った驚愕の一手とは―。
表題作「ダブル・ジョーカー」ほか、“魔術師”のコードネームで伝説となったスパイ時代の結城を描く「柩」など、5編を収録。
吉川英治文学新人賞&日本推理作家協会賞W受賞の超話題作『ジョーカー・ゲーム』シリーズ第2弾、早くも登場。

柳広司の、『ジョーカー・ゲーム』の続編となる連作短編集。
’09年、「このミステリーがすごい!」国内編、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門共に第2位に輝いた。
前作は、角川書店の「野性時代」掲載分2編、書き下ろし3編からなる5編だったが、本書では、同誌掲載分4編、書き下ろし1編からなっている。

●『ダブル・ジョーカー』・・・・・・“D機関”のライバル“風機関”との親英的な元外交官の機密漏洩案件をめぐっての競い合い。
●『蝿の王』・・・・・・北支の前線を舞台に共産主義シンパの軍医が戦場で行う意外な機密連絡法とは。
●『仏印作戦・・・・・・』仏印と東京とで交わされる暗号通信にひそむ罠と闇。
●『柩』・・・・・・ベルリンの列車衝突事故で命を落とした日本人の男は欧州全土に張り巡らした“D機関”のスパイ・マスターだったのか。
●『ブラックバード』・・・・・・ロサンゼルスに渡った「二重経歴(ダブル・カバー)」の“D機関”スパイ仲根の行き着く先は。

本書では、巻末の書き下ろし『ブラックバード』を除いて、“D機関”卒業生のスパイが最後まで(生きて)登場しない、また、その開設者結城少佐の若き日の一端が明かされる『柩』をはじめ、いずれも前作にも増して凝ったプロットで、二重三重のひねりを一層加えた逸品揃いである。
また読者は、スパイたちの前作をしのぐ、世界を股にかけた究極の頭脳戦をたっぷり堪能できて鮮やかに騙されること請け合いである。

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2010年12月30日木曜日

★2010年「このミステリーがすごい」第1位:『新参者』東野圭吾(著)

東野圭吾おすすめミステリー小説、お奨めの東野圭吾のミステリー小説。東野圭吾の名作ミステリーの面白い作品。
おすすめミステリー作家のオススメ面白いミステリー、おもしろい傑作お勧めミステリー小説は『新参者』東野圭吾(著)だ。

2010年「このミステリーがすごい」第1位。

立ちはだかるのは、人情という名の謎
日本橋の片隅で発見された四十代女性の絞殺死体。
「なぜ、あんなにいい人が」と周囲は声を重ねる。
着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、未知の土地を歩き回る。
「この町のことを思い浮かべるだけで、忽ち様々な人間が動きだした。そのうちの一人を描こうとすると、そばにいる人々の姿も描かざるをえなくなった。まる でドミノ倒しのように、次々とドラマが繋がっていった。同時に謎も。最後のドミノを倒した時の達成感は、作家として初めて味わうものだった」――東野圭吾

東野圭吾作品の中でも、「加賀恭一郎シリーズ」はかなり好きなので、迷わず購入しました。
この小説の舞台は日本橋。
その一角で起こった絞殺事件を調べるべく、着任したばかりの加賀刑事は日本橋界隈のさまざまな場所に出向いていきます。
ただし、「営業マンの上着」から始まり、加賀刑事の見事な洞察力はそれまでの作品同様に見ることができますが、事件そのものの真相は、それほどビックリするようなものではありません。
しかしそれよりも印象深いのが、日本橋界隈の人々や、加賀刑事自身が見せる「人情」です。

全九章ありますが、第一章~第八章までそれぞれ、加賀が訪れる日本橋の8か所が舞台となっています。
そして事件の調査のために訪れた加賀が、その手掛かりをつかむ様子だけでなく、彼の働きによってそこに隠されていた人々の「大切な人への想い」が前面に出てきたり、通い合っていなかった心と心が再び交流を始める様子などが描かれ、読んでいて非常に心温まりました。
どれも事件の解決に向けての「通過点」の一つに過ぎないのですが、結末が非常によく、それぞれの章がエピソードとして独立して成り立っています。
そして第九章のラストも、「心を通わせていたつもりが実はそうでなかった」という点では非常に考えさせられました。
最後に、加賀恭一郎シリーズはこれの前に、
『卒業 雪月花殺人ゲーム』★
『眠りの森』★
『どちらかが彼女を殺した』
『悪意』★
『私が彼を殺した』
『嘘をもうひとつだけ』
『赤い指』★
以上があります。
もちろんそれぞれ別の事件を扱っていますから、単独でも十分楽しめるのですが、他のシリーズ作品(特に★印)を読むと、加賀刑事の人物像がよくわかりますので別の楽しみ方ができます。

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2010年12月28日火曜日

★東野圭吾のおすすめミステリー、おすすめ東野圭吾のミステリー小説『白夜行』東野圭吾(著)

東野圭吾おすすめミステリー小説、おすすめの東野圭吾のミステリー小説。東野圭吾の面白い作品。
面白いミステリー、おもしろい傑作おすすめミステリー小説、名作ミステリー小説は『白夜行』東野圭吾(著)だ。

TBSにおいて「白夜行」をTV番組化(2006年)
また映画化も進んでおり、2011年公開予定である。

前作「秘密」で、温かくて切ない物語を紡いだ東野圭吾が、今回は読む者の心を冷え冷えと切なくさせる。 
1973年に起こった質屋殺しがプロローグ。
最後に被害者と会った女がガス中毒死して、事件は迷宮入りする。
物語の主人公は、質屋の息子と女の娘だ。
当時小学生だった二人が成長し、社会で“活躍”するようになるまでを、世相とともに描ききる。
2人の人生は順風満帆ではなく、次々忌まわしい事件が降りかかる……。
当然ミステリーだから謎が隠されているわけだが、真相は途中で暗示されてしまう。
しかし謎の存在など、どうでもよくなるほどのスケールの大きさが読後に残る。

1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。
容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。
被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂―暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んで行く。
二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。
だが、何も「証拠」はない。そして十九年…。
息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。
心を失った人間の悲劇を描く、傑作ミステリー長篇。

総ページ850程度、全13章からなる物語。
ライトノベルなら3冊分は あるボリューム。
主人公の雪穂と亮司の小学校時代から19年後までが 淡々と語られる。
なぜ淡々かというと、主人公二人の内面心理の描写が全くなく、他の登場人物の目を通じてしか二人をうかがい知ることができないからだ。
加えて、物語はある殺人事件に端を発するが、犯人や犯行方法は途中で暗示され、焦点は事件の解明ではなく今後の展開に移っていく。
だからこの物語はミステリーというよりは叙事詩だ。
読み進めていくごとに、二人の関与がほのめかされ、そして徐々に真相が明らかにされていくにつれ、背筋の凍る思いが募っていく。
ノワールの傑作と評されることにもうなずける。
だが、真に驚くべきことは、とうとう最後まで二人の内面が一切明かされないことだ。
稀代の悪女と犯罪の天才。
二人はどのように結ばれ、何を目指したのか。
いや、亮司はなぜ雪穂の影で在り続けようとしたのか?
これに対して雪穂は亮司に何を与えたのか?
雪穂は亮司を愛していたのか?
二人に潜む闇はあまりに深く、ありきたりの想像や感情ではとうてい推し量れるものではなかろう。
しかし、こうした思いに対する答えはない。
ないのである。

だから読後もふとした拍子に雪穂と亮司の物語に思いを馳せてしまう。
まさにいつまでも余韻が消えないのだ。

なるほど、これが東野ワールドか・・・。

再読三読に耐えうる推理小説というのはそうそうあるものではない。
その意味でも、やはりこの作品は傑作なのだと思う。

主人公二人の会話・心情・行動すべてが隠されたまま、最後まで疾走する10年以上に亘る大河ミステリー。

夜寝る前に本を読むことが多い。
眠くなるまで読もうっと。
分厚い本だなぁ。疲れそう。
・・・・・気が付いたら、明け方だった。


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2010年12月26日日曜日

★東野圭吾のおすすめミステリー、おすすめ東野圭吾のミステリー小説『流星の絆』東野圭吾(著)

東野圭吾おすすめミステリー小説、おすすめの東野圭吾のミステリー小説。東野圭吾の面白い作品。
面白いミステリー、おもしろい傑作おすすめミステリー小説は『流星の絆』東野圭吾(著)だ。

第43回新風賞受賞作品

惨殺された両親の仇討ちを流星に誓いあった三兄妹。
「兄貴、妹(あいつ)は本気だよ。俺たちの仇の息子に惚れてるよ」
14年後――彼らが仕掛けた復讐計画の最大の誤算は、妹の恋心だった。
「この小説は私が書いたのではない。登場人物たちが作りだしたのだ。」――東野圭吾
息もつかせぬ展開、張り巡らされた伏線、驚きの真相、涙がとまらないラスト。
すべての東野作品を超えた現代エンタメの最高峰

開いたら最後、あっと言う間に過ぎ去った482ページ。
相変わらずの描写の巧さで頭の中に自然に浮かぶ情景。
登場人物の心情と共に張り巡らされる謎や伏線。
乱れも隙も無い計算されつくした展開。見事な結末。
本を閉じた後の読後感。

どれをとっても本当に素晴らしかった。
まさに、東野圭吾作品の最高傑作の部類に入る出来でした。
今までの東野圭吾作品も十二分に面白いんですけど、どこか納得の行かない部分や、残念な部分がありました。
高校の時から数えると200~300冊くらい色んな作家の小説を読みましたけど、この『流星の絆』は3本の指に入るくらいの出来でした。

東野圭吾なら、いつか完璧に近い小説を書いてくれるんじゃないかと思ってましたけど、『流星の絆』は本当にお見事でした。

100点満点。



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★東野圭吾のおすすめミステリー、おすすめ東野圭吾のミステリー小説『容疑者Xの献身』東野圭吾(著)

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面白いミステリー、おもしろい傑作おすすめミステリー小説は『容疑者Xの献身』東野圭吾(著)だ。

2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞、第6回本格ミステリ大賞(小説部門)
2008年、フジテレビジョンほかにより映画化されている。

天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。
彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。
だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。
ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。

東野作品は20作くらい読みましたけど、自分にはこれが最高傑作です。
若干突っ込み所はありつつも見事な叙述トリック、そして石神の純粋すぎる愛と湯川の優しさを描いたストーリー、どちらも大満足でした。
結末は賛否両論ですけど、自分はこれでよかったと思います。
最後の石神の叫びには悲しさだけじゃなく、喜びも含まれてるような気がします。
ちなみにこれから読まれる方は先に「探偵ガリレオ」「予知夢」を読んでおいた方がいいです。
草薙と湯川の関係や、湯川のキャラクターを把握しておいた方が今作を何倍も楽しめますので。

天才数学者の石神。彼は都会の片隅の小さなボロアパートに住み、高校の教師をしている。
学校とアパートとの往復だけでなんの楽しみのないような生活をおくっている。
しかし彼は、ある難解な数学の公式を解くこととを生きる証として何年も取り組んでいる。
そして、秘密に恋心を抱く女性もいた。
その恋は、純粋で自分の人生をなげうってでも守りたいものだった・・・・・・
そして彼は、事件に自ら巻き込まれていく。
石神の大学時代の同級生として、登場する天才物理学者、湯川。
ガリレオシリーズの初の長編作品で、湯川の事件を解決する才能はいかんなく発揮され読み応えある作品になっている。

事件を解決していくおもしろさは、もちろんだが、湯川と石神の天才学者同士の心の模様や、石神の怖いぐらいの純粋な恋心など心理面でも十分楽しめます。
天才のひらめきは、観察眼の鋭さから生まれるのだという印象を受けました。
最後まで一気に読み進みたくなるミステリーです。

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★東野圭吾のおすすめミステリー、おすすめ東野圭吾のミステリー小説『秘密』東野圭吾(著)

東野圭吾おすすめミステリー小説、おすすめの東野圭吾のミステリー小説。東野圭吾の面白い作品。
面白いミステリー、おもしろい傑作おすすめミステリー小説は『秘密』東野圭吾(著)だ。

99年『秘密』で第52回日本推理作家協会賞受賞作品。
テレビ朝日系でドラマ化もされている(2010年)。
1999年には東宝系で映画化もされた。

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。
妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。
その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まった。
映画「秘密」の原作であり、98年度のベストミステリーとして話題をさらった長篇、ついに文庫化。

涙の無い感動。読了後 呆然。
悲壮感、喪失感、虚無感、孤独感、絶望感・・・・・・。
なんとも形容し難いブルーな感覚に陥りました。

「うわぁ、マジかんべんしてよもう。こんなのって・・・・・・」という気持ちです。
男って、心が弱いからせめて体だけは強くできているのかも。
男にはちょっとつらい。
女性にとってはどうなんでしょう?

自分が主人公の立場だったら耐えられそうにも、そして立ち直れそうにもないです。
実際読み終わってブルーな気分からしばらく立ち直れませんでした。
終わってからもう1度クライマックス付近を読み返すことでしょう。
そもそも誰が悪いのかと問われたら、誰も悪くない様な、誰もが少しずつ悪い様な。
最善の選択なのか、仕方無しなのか、ずるさなのか。

そして、ではどうすれば良かったのか、と考えずにはいられません。
ラストで解るタイトル「秘密」の理由。
必読です。

とりあえずガンっとパンチがある作品です。
切ないので気持ち健康なときに読まれた方がいいかも・・・

読み終えてショックでした。

自分に置き換えて考えると、自分だったら我慢できないかも。
「本当にそういうことか??」と何度かラストを読み返しました。
・・・・・・やはり、そういうことのようだ。


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★宮部みゆきのおすすめミステリー小説 おすすめ宮部みゆきの面白いミステリー小説 :おすすめ傑作ミステリー小説「火車」宮部 みゆき

宮部みゆきのおすすめミステリー小説。 おすすめ宮部みゆきの面白いミステリー小説。宮部みゆきのおすすめ作品。
面白いミステリー小説、おもしろい傑作ミステリー小説は『模倣犯』宮部 みゆき(著)だ。

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。
自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して―なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?
いったい彼女は何者なのか?
謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。
山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。

社会派ミステリには2つの要素がある。
一つは純粋にミステリとしての謎解きの面白さ。
そしてもう一つは社会の影を映し出す鏡の役割。
宮部みゆきはこの二つの要素を兼ね備えた秀作を 世に多く送り出してきている現代を代表する作家だが、 僕は彼女の作品の中でも「火車」が一番だと思っている。
物語は一人の女性の謎めいた失踪から始まる。
そしてそれを追う主人公は彼女の過去を探るうちに、 一つの信じられないような真実に辿り着く。
カード破産、戸籍、家族の形・・・
いくつものテーマが織り込まれながら、 謎解きに向かって進むストーリー。
必読の一言に尽きる。

カードやサラ金地獄を背景に描かれる、現代の人間の悲劇。
読み終った時、言葉に出来ない割り切れなさを感じた。
哀しいようないらだち。それは何だったのか。
本当に悪いのは、罪を犯した犯人ではなく、その人を犯罪へと追い込んだものたち。
しかし裁かれるのはいつもその人だけで、犯罪へと追い込んだものたちは、その後も、何も変わらずに続いていく。
一体、誰が彼女を責められるのか。
誰も彼女を救えなかったのに。

そして読者には、その現場に居合わせてしまったような緊迫感漂うラストシーンが待っている!!

宮部みゆきの最高傑作で超おすすめのミステリー小説です。(社会派小説でもある。)



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2010年12月24日金曜日

★どんでん返しが凄い!衝撃の結末のおすすめ傑作ミステリー小説『弁護側の証人』小泉 喜美子 (著)

最後にやられた!と思えるオススメのミステリー小説、最後のどんでん返しがすごい傑作ミステリー小説、衝撃の結末のミステリー小説

面白くて、驚愕のおすすめ傑作ミステリー小説『弁護側の証人』小泉 喜美子 (著)


あっと驚くどんでん返し!


財閥の放蕩息子に見初められ結婚した蓮子は、慣れない生活に息苦しさを感じていた。

そんな折、財閥当主が殺される。

殺人罪の裁判の行方は?

驚愕のどんでん返し、ミステリの金字塔。


僕の友人はこの本を最後まで読んだが、自分が騙されたとは気づかなかった(トリックが完璧なので騙されているとすら考えていなくて)ので、僕が指摘して初めて、「おおお!すげ〜!」と雄たけびを上げた。


ヌードダンサーのミミイ・ローイこと漣子は八島財閥の御曹司・杉彦と恋に落ち、玉の輿に乗った。

しかし幸福な新婚生活は長くは続かなかった。

義父である当主・龍之助が何者かに殺害されたのだ。

真犯人は誰なのか?

弁護側が召喚した証人をめぐって、生死を賭けた法廷での闘いが始まる。

「弁護側の証人」とは果たして何者なのか?

日本ミステリー史に燦然と輝く、伝説の名作がいま甦る。

(なお、アガサ・クリスティの中には『検察側の証人』という傑作ミステリーがある。)


ついでに、本作の著者である小泉 喜美子は生島治郎と内藤 陳の元奥さんで、最後は1985年、酒に酔って新宿の酒場の階段から足を踏み外して転落し、脳挫傷を負い、意識が戻らぬまま外傷性硬膜下血腫で死亡した。

叙述ミステリの古典的名作ということで、読む前の期待値は、いやが上にも高まる わけですが、今回読んでみて、その期待を裏切らない、傑作であると感じました。

とはいえ、とりたてて意外性満点の真相というわけでもありません。

むしろ、 その真相が開示されるまでの過程で、作者が魅せる、さまざまなテクニック 、読者を誤導する構成、巧緻な伏線、騙りの技巧が施された会話——こそが読みどころであるといえます(さすがに、1963年に発表された作品なので、 風俗や会話などは古めかしいですが、それはそれで味わい深いですし、そも そも、本作は、プロットを読ませることを主眼にしているので、経年劣化の弊害とは無縁、ともいえるでしょう)。


なので、本作を読了されたら「序章」だけでいいので、ぜひ再読してみてください。

初読の時には見えなかった光景が、眼前に広がると思います。


また、本作は、そうした叙述トリックばかりが取りざたされがちですが、 タイトルとなっている「弁護側の証人」に込められた意図も見逃せません。

普通なら、絶対に「弁護側の証人」になることはないある人物が、無実の被告を救うために証人台に立つという趣向は、社会派的なテーマとして 普遍性があるだけでなく、法廷における起死回生の逆転を劇的に演出 することに成功しています。


大富豪の放蕩息子に見初められたヌードダンサー——という現代のおとぎ話の フィナーレは、ビターではあるものの、決して読後感は悪くなく、清々しい余韻を 残します。


本書はいわゆる叙述トリックものの中で超がつくほどの代表作であります。
 
古い作品なので舞台設定に違和感を覚えるかもしれませんが、すぐに慣れます。

本書の凄さは叙述トリックものを多く読破されてきた方ならば分かってもらえると思います。

なぜなら、他に類をみない手法を用いているからです。

並の書き手ではこの手法で書けないでしょう。

大変な表現力を要します。
 

残念ながら著者の仕掛けた罠に気付かず読了してしまった方(僕の友人のように)もいるようです。

トリックを暴かれたのであればお見事です。

しかし、なんとなく読み進めてしまって気付かなかったのなら、(僕の友人のように)不幸と言わざるをえません。

これから読まれる方は注意深く読み進めていただきたく思います。

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★衝撃の結末のおすすめ傑作ミステリー小説「十角館の殺人」綾辻行人(著)

最後にやられた!と思えるオススメのミステリー小説、最後のどんでん返しがすごい傑作ミステリー小説、衝撃の結末のミステリー小説

面白くて、驚愕のおすすめミステリー小説「十角館の殺人」綾辻行人(著)    


半年前、凄惨な四重殺人の起きた九州の孤島に、大学ミステリ研究会の7人が訪れる。

島に建つ奇妙な建物「十角館」で彼らを待ち受けていた、恐るべき連続殺人の罠。

生きて残るのは誰か?
犯人は誰なのか?

鮮烈なトリックとどんでん返しで推理ファンを唸らせた新鋭のデビュー作品


勘がいい人ならトリックにも気づくだろうが、まさか、そんなことないよなって思わせる。

小手先の技術なら綾辻の右にでるものはいないと思う。

ワクワクさせる展開に、映像では再現できない構成、伏線の張り方。

そして、過去の名作達に対する親愛の情がいい。


何はともあれ本格推理小説を読んでワクワクしたいあなたには是非おすすめ。


小学生の頃、エラリー、アガサ、モーリス、コナン等の古典推理小説を愛読していた僕に とっては、涙がでるような登場人物設定で、犯人が判明するシーンの描写は圧巻です。

そういった古典推理小説の知識があるが故に、だまされてしまう、叙述トリックも使用されており、読後のやられた感はひとしおです。

40代で久々に読んだ推理小説ですが、小学生の頃の興奮を思い出しました。

最高傑作、間違いなしのおすすめミステリー小説です。


これは最高傑作の部類に入るでしょう。

間違いありません。

ページ数は厚めでけど読みやすいのでサクサク前進します。

推理小説好きでまだ読んでいない方はぜひお奨めです。

推理小説、玄人の方は犯人当てをしながら読むと面白いですよ!


何度も言いますが、おもしろかったです!

最後の最後まで綾辻さんのトリックに全く気づけませんでした。

真実が判明した時、驚きました!まさかまさかの展開、結末。

そういうことだったのか・・・とガツンとやられた感じです。

見ている人を惹きこむ加速していくストーリー展開、巧妙なトリック。

見事です!


そして、綾辻さんの人物像の描写の上手さにも脱帽です。

登場人物の一人一人の設定が細かく繊細ですから、作品の中の人物達を 自分の中で想像しながら、物語を楽しむことができます。

デビュー作とは思えない傑作ミステリーでした。


「何か、面白いミステリーを教えて」と言われたら、迷うことなく、この「十角館の殺人」綾辻行人(著)を紹介します。


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★衝撃の結末のミステリー小説「コールドゲーム」荻原 浩 (著)

最後にやられた!と思えるオススメのミステリー小説、最後のどんでん返しがすごいミステリー小説、衝撃の結末のミステリー小説

面白くて、驚愕のミステリー小説「コールドゲーム」荻原 浩 (著)    

17歳、まさかそんなに早く死ぬなんて思ってもいなかった。

甲子園に届かなかった夏、中学時代のクラスメートに次々事件が降りかかる。

切なすぎる結末。


渾身の書下ろし長編小説。

弁当を笑われ、プロレスの技をかけられ、教室でパンツを下ろされる。

クラスじゅうのイジメの標的にされていた小柄な少年、トロ吉。

「俺たち、そんなにひどいことしたかな。あの時は、しょうがなかったんだよ。自分だけやらないとクラスで立場がなくなっちゃうって感じで……」

中2から高3。

4年あればずいぶん変わる。

誰だって・・・・・・。

高3の夏、復讐は突然はじまった。

中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく…。

犯行予告からトロ吉が浮び上がる。

4年前クラス中のイジメの標的だったトロ吉こと廣吉。

だが、転校したトロ吉の行方は誰も知らなかった。

光也たち有志は、「北中防衛隊」をつくり、トロ吉を捜しはじめるのだが—。

やるせない真実、驚愕の結末。

高3の終らない夏休みを描く青春ミステリ。


やっぱ好きです。

荻原浩のミステリー。

もう、人間の書き方がうますぎて、 人間味が肉汁のようにじんわりと滲み出てて、 その味にハマる。

ハラハラドキドキだけじゃ物足りないし、 キャラの良さだけじゃつまんない。

この絶妙なさじ加減、やっぱりツボです。

しかもちょっと社会的ネタとか、 嫌味じゃない程度にスパイス効いてるし。

2008の新潮文庫で贔屓に取り上げられてるのも納得です。


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2010年12月23日木曜日

★おすすめミステリー小説「火車」宮部 みゆき

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。

自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して—なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?

いったい彼女は何者なのか?

謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。

山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。

社会派ミステリには2つの要素がある。

一つは純粋にミステリとしての謎解きの面白さ。
そしてもう一つは社会の影を映し出す鏡の役割。

宮部みゆきはこの二つの要素を兼ね備えた秀作を 世に多く送り出してきている現代を代表する作家だが、 僕は彼女の作品の中でも「火車」が一番だと思っている。

物語は一人の女性の謎めいた失踪から始まる。

そしてそれを追う主人公は彼女の過去を探るうちに、 一つの信じられないような真実に辿り着く。

カード破産、戸籍、家族の形・・・

いくつものテーマが織り込まれながら、 謎解きに向かって進むストーリー。

必読の一言に尽きる。

カードやサラ金地獄を背景に描かれる、現代の人間の悲劇。

読み終った時、言葉に出来ない割り切れなさを感じた。

哀しいようないらだち。それは何だったのか。

本当に悪いのは、罪を犯した犯人ではなく、その人を犯罪へと追い込んだものたち。

しかし裁かれるのはいつもその人だけで、犯罪へと追い込んだものたちは、その後も、何も変わらずに続いていく。

一体、誰が彼女を責められるのか。

誰も彼女を救えなかったのに。


そして読者には、その現場に居合わせてしまったような緊迫感漂うラストシーンが待っている!!

宮部みゆきの最高傑作で超おすすめのミステリー小説です。(社会派小説でもある。)


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★おすすめのミステリー小説「写楽 閉じた国の幻」島田 荘司 (著)

●このミステリーがすごい(2010年)
     ↓
第2位「写楽 閉じた国の幻」島田 荘司 (著)


わずか十ヶ月間の活躍、突然の消息不明。

写楽を知る同時代の絵師、板元の不可解な沈黙。

錯綜する諸説、乱立する矛盾。

歴史の点と線をつなぎ浮上する謎の言葉「命須照」、見過ごされてきた「日記」、辿りついた古びた墓石。史実と虚構のモザイクが完成する時、美術史上最大の迷宮事件の「真犯人」が姿を現す。


作者は著名な推理作家です。

本書はミステリー形式で,主人公の不幸な浮世絵研究者が東大工学部の女性教授の助けを借りて写楽の正体を追いかける話です。

物語は途中から写楽の浮世絵を出版した蔦屋重三郎が主人公となり,写楽を世に送り出す話と交互に進み出します。
 

読み進めるうちに,作者は写楽の正体について新説を提示することが目的ではなく,なぜ蔦屋重三郎が写楽を世に送り出そうとしたのかを述べたかったのではと考えるようになりました。

表題からも感じられるように,江戸の町には閉塞感が漂っています。

蔦屋重三郎が既得権にあぐらをかく者の代表として歌舞伎役者を揶揄し,既成概念を壊そうと写楽を作り上げます。
 

写楽の絵の本質は,虚飾にまみれた役者にその本当の姿を突きつけるものだと作者は考えているようで,蔦屋重三郎にそのことを語らせます。

確かに,男が女を演じることなど歌舞伎になじみがない人には妙なものです。

名優すなわち老人が皺一つ無く,美男美女に描かれる浮世絵は,虚構のものかもしれません。
 

作者の指摘した写楽の正体はあまりにも突飛でしたが,歌舞伎や浮世絵に関する綿密な資料と時代背景の描写は単なる思いつきとは思えませんでした。

写楽に関する諸説も綿密に解説されております。

後書きを読むと,かなり長い間アイデアをねっていたようです。

 
物語は写楽の正体を主人公が指摘したところで終わりますが,不幸な主人公の今後はどうなるか,女性教授の正体はなど未解決の謎が残されたままでした。

ぜひ,続編を読みたいと思います。


私は日本美術史にうとくて、北斎と歌麿の違いさえもあやふやでしたが、とても楽しく読めました。

序盤の主人公に降りかかる悲惨すぎる境遇に、さすが島田荘司は、こういうのを書くとうまいなあ、と感心しました。

中盤、従来の説を丁寧にふるいにかけ、オリジナルの発想が徐々に塗り固められていく高揚感…あまりにも面白くて一気読みです。

終盤は、江戸時代の人間の、『世を変えよう』という心意気に涙。

最高の、歴史ミステリですよ。


日本美術史上永遠の謎である「写楽は誰なのか?」について、最も説得力のあるかつ魅力的な回答が描かれている。

「ダ・ヴィンチ・コード」にも似たスケール感あるのミステリーだ。

作者の20年にわたる構想と時空を超えた筆の展開力にぐいぐい引き込まれていく。


684頁の大作であるが、一気に読めた。人生の苦悩を背負っている主人公とそれを助ける美貌の大学教授らによって、現代の謎解きが進む。

それを江戸時代で実証するように、蔦屋重三郎などの浮世絵工房の面々がドラマを展開する。

写楽の正体である人物の仮説は、行きつ戻りつしながら証明されていく。


寛政6年5月という鍵になる年代が、種々の資料で特定されていく過程が特に面白い。

古代の化石の年代が放射性炭素年代測定法でデジタルに測定されるようなスピード感がある。

本書によって写楽の謎は解けるが、物語としては未完であり、

続篇を期待せざるを得ない。

お奨めします。

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2010年12月19日日曜日

★おすすめのミステリー小説「隻眼の少女」麻耶 雄嵩

●このミステリーがすごい(2010年)
     ↓
第4位「隻眼の少女」麻耶 雄嵩 (著)


古式ゆかしき装束を身にまとい、美少女探偵・御陵みかげ降臨!因習深き寒村で発生した連続殺人。

名探偵だった母の跡を継ぎ、みかげは事件の捜査に乗り出した—。


異常だ。

この作品に比べたら今までの麻耶の作品や数多あるミステリで探偵が騙ってきた推理など茶番だと思われるほどの圧倒的な完成度。

恐らくミステリ作家なら誰もがこうした作品を一度は目指すだろうが、誰一人為し得なかった作品だろう。

生半可な努力と思考力、発想だけではこの壮大な伽藍は築けまい。

筆者が処女作「翼ある闇」以降ずっと問題にしてきた命題が漸く実を結んだようにも見える。

この極点に達した麻耶雄嵩が、今後創作活動を続けていけるのかということだけが不安だ。

そして一読しただけでは私も気づかず恥ずかしい限りなのだが、この「問題」は単に事件の推理だけに適応されるのではなく動機を含めドラマ部分に密接に影響していることは間違いない。

静馬の感情やエピローグでのみかげの行動だけでなく、そもそも2003年の犯人の動機すら…そうした視点で見ると全く違った様相が見えてくる。

やはり異常な作品である。

とはいえ複雑で読者を突き放した作品ではないので、誰でもお気軽に手に取ってくれればいいと思う。

ドライな探偵と死相漂うワトソンの軽妙な掛け合いや茶目っ気に溢れる文章は読んでいるだけでも頬が緩む。


萌え巫女姿の探偵、訳ありで自殺願望ありのワトソン役の大学生が偶然(?)遭遇する古き信仰が残る旧家での連続首斬り殺人。

犯人は?

動機は?

その18年後にまた同じ事件が発生!模倣犯か?

それとも連続殺人なのか?

真相は?


著者の作品及び文藝春秋からすると単なる正統派で終わるわけないと思いながら読んでいましたが、やはり後味の悪さは用意されていましたね。

しかも従来の作品に勝るとも劣らない衝撃。

本格ミステリとして傑作のうちに完了出来るものを最後にひっくり返す、この読後の後味の悪さは毎回なんとも言えませんね、病みつきになります。

…という従来の作者の路線そのままであると了解してお読み下さい。

巫女さん姿の萌えな表紙のみで判断すると後でしっぺ返しに合います。

後味の悪い結末がアナタを待っています、でも間違いなく本格。


そして怪作。

傑作。

この作品に出逢えて、本当に良かったと思う。


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おすすめのミステリー小説「悪の教典」貴志 祐介

●このミステリーがすごい(2010年)
     ↓
第1位「悪の教典」貴志 祐介 (著)


とびきり有能な教師がサイコパスだったとしたら、その凶行は誰が止められるのか──

ピカレスクの輝きを秘めた戦慄のサイコ・ホラー。

●2010年度「このミステリーがすごい!」第1位

●「週刊文春ミステリーベスト10」第1位

●第1回山田風太郎賞


学校という閉鎖空間に放たれた殺人鬼は高いIQと好青年の貌を持っていた。

ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー。


イケメンで語学堪能。格闘技を含むスポーツもでき頭脳は明晰。こんなハスミンが人を殺しまくる。

なぜ彼はクラスを支配しようとしたのか、全くわからない。

けど下巻後半の暴走状態にハスミンを何故か応援していた。

うまく逃げられますように、みんなが死にますようにって(笑)。

こんな私は大藪春彦のファンだったりする。

この下巻の後半部分はデビュー作の「黒い家」のクライマックスを彷彿とさせる。

主人公への共感を得る人がほとんどいないだろうから、かなり賛否両論が出るだろうなって思った。

個人的には花丸なんだが。


貴志祐介さんの新刊です。

表紙の黄色に黒いカラスのイラストが何とも不気味で 読む前から嫌な感じがしました。

そしてその通り、読み進みに連れて、その嫌な感じはどんどん膨れ上がって行きましたが、 先が気になって本を閉じれない、つまりどんどん物語に嵌って行ってしまいました。

主人公の蓮実(はすみ)は今まで読んだ本の中でもトップと言って良いほど 邪悪で冷酷極まりない人間(人と言えるのかすら疑問ですが)。

それ程までではないけれど、この本の中には嫌な教師、自己中心的な高校生等、嫌な人間が勢揃いしています。

けれど、そこにはきちんと「正義」を貫こうとする人もいて救われます。

6章434ページの長編ですが、文字の大きさ、会話の多さ、 そして展開の速さで飽きる事無く一気に読めます。

下巻への期待が高まる仕上がりになっています。


●アマゾン(悪の教典)
 ↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163293809/horaihonoyomu-22


●楽天(悪の教典)
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2010年12月18日土曜日

おすすめのミステリー小説「悪の教典」貴志 祐介

●このミステリーがすごい(2010年)
     ↓
第1位「悪の教典」貴志 祐介 (著)


とびきり有能な教師がサイコパスだったとしたら、その凶行は誰が止められるのか──

ピカレスクの輝きを秘めた戦慄のサイコ・ホラー。

●2010年度「このミステリーがすごい!」第1位

●「週刊文春ミステリーベスト10」第1位

●第1回山田風太郎賞


学校という閉鎖空間に放たれた殺人鬼は高いIQと好青年の貌を持っていた。

ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー。


イケメンで語学堪能。格闘技を含むスポーツもでき頭脳は明晰。こんなハスミンが人を殺しまくる。

なぜ彼はクラスを支配しようとしたのか、全くわからない。

けど下巻後半の暴走状態にハスミンを何故か応援していた。

うまく逃げられますように、みんなが死にますようにって(笑)。

こんな私は大藪春彦のファンだったりする。

この下巻の後半部分はデビュー作の「黒い家」のクライマックスを彷彿とさせる。

主人公への共感を得る人がほとんどいないだろうから、かなり賛否両論が出るだろうなって思った。

個人的には花丸なんだが。


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そしてその通り、読み進みに連れて、その嫌な感じはどんどん膨れ上がって行きましたが、 先が気になって本を閉じれない、つまりどんどん物語に嵌って行ってしまいました。

主人公の蓮実(はすみ)は今まで読んだ本の中でもトップと言って良いほど 邪悪で冷酷極まりない人間(人と言えるのかすら疑問ですが)

それ程までではないけれど、この本の中には嫌な教師、自己中心的な高校生等、嫌な人間が勢揃いしています。

けれど、そこにはきちんと「正義」を貫こうとする人もいて救われます。

6章434ページの長編ですが、文字の大きさ、会話の多さ、 そして展開の速さで飽きる事無く一気に読めます。

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